厳しい状況が続く

金価格のじり下がり状態が長く続くと金鉱株は厳しい。ゴールドは先物で売られても金貨や金塊は需要があるようだ。しかし、金鉱株は株式の中でもマイナーな存在で金鉱株に投資する投資家はかなり限られる。つまり買い支える勢力が極端に少ない。そのため金価格以上にボラティリティは大きく下げ圧力は強く出る。バリックの株価が笑えないレベルとのコメントがあったが、状況としては最悪の部類に入る。まあ、バカンスにでも出かけるのがベストか?
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#46627 No title
銀行の狙いは下げることではなく
政府と組んで金そのものを破壊することではなかろうか…?
金はおそらく保険でしょう…。

>米国は四面楚歌になるのかな
TTPでブロック経済圏を形成すると同時に、貿易の自由化によりドル支配権をさらに拡大するのではないか・・?
もう一つ、不気味なのがカナダ・メキシコを加えたアメロであるFTAにさらに日本・韓国など米の支配権とイギリス連邦(ニュージーランド・オーストラリアなど)を加え、北半球連合王国を作るつもりでは?
通貨の切り替え(デノミ?)が第3次ニクソンショックはかも…。
#46628 管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
#46629 【GOLDさんがバカンスへ・・】
簡単には約4年の弱気相場は強気に戻っていかないでしょう。
先の強気相場の11年間に匹敵するにはまだ7年もあります。w
2000を超えたらオフ会!などとはイイ思い出になりました。

ギリシャ問題があっても、産金コストを割るか割らない水準
でした。中国では、株の売りを規制されてテンパった人達が、
GOLDを売ってキャッシュを得ていたようです。コガネムシと
して、これには複雑な気分にさせられました。不安な情勢の
中で、イの一番に売られたなんてあんまりですわ。

英国が利上げするみたいですし、米国も年内の利上げを狙って
いるようです。産油国イランの問題も進展しました。好景気の
予想でも当然GOLDは売られます。

上がる要素がない。私の金鉱株の一社で5玉は逃げ遅れてしまい
(優柔不断で損切りできなかった)、含み損が拡大のままアホル
ダーになります。現実はキビシイ、GOLDは弱気相場なのです。
7年以上の塩漬けは覚悟しました。全資金から見ればなんとか
凌げます。

やるなら短期レンジのスイングですが、なにもGOLDだけが投資
ではありません。他に効率の良い相場は探せばあります。早く
GOLDさん、バカンスから帰ってきて!もう4年だよ。
#46632 No title
お手並み拝見さん、○○さん、アホンダラさん、おはようございます。

お手並み拝見さん、金になんらかの役割があるのであれば破壊することはないと思っています。

○○さん、当初よりカントリーリスクは考慮済みです。警告は受け取りますが、お気ずかいは無用です。

アホンダラさん、たまらんコメントですな。そろそろ頃合ですかね。
#46633 吉田さんのメルマガです。よろしければ( ^ω^)_凵 どうぞ。
<Vol 335:有料版の増刊と共通
        :低迷している金価格への見方と将来(2)>
          2015年7月13日

【目次】

1.2000年代後期の金価格を左右した、金ETFの動き
2.2013年と2014年に、誰が金ETFを1040トン売ったのか?
3.新興国(BRICs)を中心にした世界の中央銀行の、
 金の買い増し(2011年~)
4.米国FRBの、金へのスタンスについての推測
5.「金ETF」を使うことの決定:ETF=Exchange Traded Funds
6.金ETFを利用する(決して語られない、論理的な推測)
7.FRBによる金の売り
8.経常収支が赤字のドルが、強い通貨でなければならないという矛
 盾が、2013年の、FRBによる金売り崩しの原因

【後記:ギリシア危機と中国株の下落】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■1.2000年代後期の金価格を左右した、金ETFの動き

▼1800トン分の金ETFが作られた

2004年から、ペーパー・ゴールドとして導入された金ETFは1年に
200トンから300トン買われ、2013年の残高は2500トン(現在の時価
で12.5兆円)に達していました。

最も多かったのは、リーマン危機後の2009年の623トンの増加です。
米国の金融危機からの、米ドルの価値下落を恐れた買いでした。現
物の金では、流通在庫が少ないので、一度での大量買いは難しい。
このため、金価格と同じことを保証するETFが使われたのです。
(注)発行元はスパイダーゴールド社、NY、ロンドン、ヨハネスブ
ルグ、iシェア、オーストラリア市場の合計。(Gold Survey
2015) 

金ETFの発行が増えることは、発行元(スパイダー・ゴールド社が
筆頭)による、現物の買いと保管の増加も示します。

現物拠出型ETFでは、発行元は、発行額の金を保管する義務がある
とされているからです。ただし金ETFの増加が、即座に発行会社に
よる金現物の買いになるのではない。時間差があります。

金ETFが発行元に売られたときは、発行元は保管している現物を売
ることになります。金ETFには、現物拠出型が多いとされています
ので、現物の売買と同じことが市場で起こります。

(注)リンク型ETFの場合、ETFが金価格と同じであることを、発行
元が保証しますが、金現物は持ちません。ETFの売買の市場への効
果は、株ETFと同じです。
金現物と同様、売りが増えれば下がり、買いが増えると上がります。
ETFと現物で生じる価格差は、高いものを売って、安いほうを買う
「裁定取引」によって、即座になくなります。(裁定取引)


▼金ETFの増加と、2013年からのマイナス

【2005年~2012年】
2005年 208トン
2006年 260トン
2007年 253トン
2008年 321トン(9月にリーマン危機)
2009年 623トン(最大の増加)
2010年 382トン
2011年 185トン
2012年 279トン


【2013年の異変】
以上のように2012年まで金ETFは増加を続け、2600トンに達してい
たのです。ところが2013年には突然にマイナス880トン、翌2014年
はマイナス160トンでした。

2013年に、金相場を崩落させる量の880トンが売られ、2014年も、
160トンの売り超が続いたのです。

◎2015年の第一四半期(1-3月)は、25.7トンの買い増しで、よう
やく金ETFの売りによる値崩しが終わった感じもします。スパイ
ダーゴールド社が発行した金ETFの残高が、700トン台に減っている
からです。

金市場では、年間400トンくらいの買い超、あるいは売り超以上か
ら、価格変動が大きくなる傾向があります。金市場で、供給量の
10%の不足や過剰が生じるからです。

◎2011~2012年には、(1)金ETFの発行増加と、(3)新興国の中
央銀行の金購入により、1オンス$1800から$1900のピーク価格を
つけていました。

ところが2013年の金ETFの880トン(年間の金供給量の20%)の売り
超を主因に、$1300付近にまで急落しています。続く2014年も、金
EFFは160トンの売り超でした。

2014年の金価格が、$1150や$1200と低迷した最も大きな原因は、
2012年から2014年の、金ETFの売り超(1040トン)です。

【円安・ドル高で、日本では、国際市場の金価格下落がマスクされ
る】
2015年7月11日店頭小売価格は、円では1グラム5025円(税込み)で
すが、ドルでは1オンス$1159(1g=$37)と安い価格です。

円安のため、円では下げていませんが、国際価格のドルではピーク
から38%下げた水準です。金を買うことは、円を売りドルを買うこ
とでもあります。ドル高(円安)のとき円で見た金価格は上がり、
ドル安(円高)になると、円での金価格も下げるからです。

■2.2013年と2014年に、誰が金ETFを1040トン売ったのか?

【金ETFを買っていた人々】
2004年から2012年に、1年200~300トン分の金ETFを買っていた主体
は、(1)米国の年金基金などの機関投資家と、(2)ポールソンや
ジョージ・ソロスなどの、大手ヘッジファンドでした。

機関投資家の資金は、米国人の年金積立です。これらが、移動・保
管・セキュリティが難しい現物ではなく金ETFを買うことは、理解
できます。元々、金ETFの導入は、機関投資家や銀行などの大口の
買いと保有を行いやすくすることが目的とされていたからです。

しかし年金基金は長期投資であり、金ETFの1000トンの、一斉売り
のようなことは行いません。

ヘッジファンドに資金運用を預託するのは、JPモルガンチェースや
ゴールドマン・サックス、シティバンクなど、レポ金融で元資金を
集める、米国の投資銀行部門です。

▼ヘッジファンドと、その運用預託資金

2013年にはETFの売り、先物売り、空売り使い、売り崩した主体が、
ヘッジファンドであることは、間違いない(先鞭をつけた代表がジ
ョン・ポールソンとジョージ・ソロス)。

米国の大手投資銀行は、08年の金融危機(流動性不足)以降、流動
性を供給した米国FRBからの意向で、動きます。

ヘッジファンドに金ETFを売らせた首謀は、幾重かのヴェールを通
した米国の財務省とFRBでしょう。売り崩しは、政治的であり意図
的です。

◎理由は、リーマン危機のあと、米ドルの実効レート(ドルの価
値)が20%も下がっていたからです。そして、新興国の中央銀行が、
米ドルに変えて、金を年間に400から500トン買って、下がる米ドル
に代わる準備資産にしてきたからです。

決して言われないことですが、中央銀行にとっては、準備資産が真
のマネーです。金は、1971年に金ドル交換が停止されたあとも、中
央銀行にとって準備資産であり続けています。

世界の中央銀行の金保有は、3万トンを超え、地上の宝飾を含む金
(17万トン)の18%です。

中央銀行のバランスシートは、単純化すると以下になります。通貨
の発行は、中央銀行にとっては負債です。その負債の信用を担保す
るのが準備資産です。

    資産       負債
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
準備資産 ****  通貨発行  ****
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

基軸通貨であるドルは、金ドル交換停止の1971年以前は、FRBがド
ルとの交換を保証し、金と同等のものだったので、金と同じように
世界の中央銀行の準備資産になっていました。

1971年以後は、金と交換できないペーパー・マネーになりましたが、
「慣習」で、準備資産であり続けています。世界の政府・中央銀行
が持つ、$12兆(1440兆円)に増えた外貨準備でも、かつては80%
が、現在も60%が米ドルです。

▼金融危機後の、ドル増刷で、80に下がっていたドルの実効レート

米ドルの実効レート(世界の通貨に対する貿易加重平均でのレー
ト)は、2009年には97ポイントでした。この後、金融危機対策とし
てのFRBによる量的緩和(ドルの増刷)を原因に下がり、2012年初
頭には80になったのです。

一方、下がった米ドルとは逆に、2009年以降の金は1オンス$1000
(1g=$32)から2012年の$1900(1g=$61)と、1.9倍の高騰
をしていました。

ドルの反通貨である金から見れば、ドル価値が42%に下がったこと
を意味します。(ドルが20%下落、金は190%→0.8÷1.9=0.42)

これは、各国の中央銀行にとって、米ドルで貯めていた準備資産が、
金に対しては半減以下(42%)に減ったことを示します。

【新興国の中央銀行の準備資産はドル】
新興国の中央銀行では、中国(人民銀行)を含み、準備資産と政府
の外貨準備は米ドルであることが多い。

(注)日本では、日銀の準備資産は日本国債です。円国債が、円と
いう通貨の信用を裏付けています。765トンの金をもつとされてい
る日銀は、米国によって、「ドルへの信認を崩す」として、金の増
加保有は禁じられているはずです。このため、日銀の金保有高は、
つねに一定です。現物は、ほぼ全量が米国FRBに預託されています。

【ドル】
中国、産油国、新興国(BRICs)では、自国の国債の信用度は低い。
このため貿易で稼いだ米ドルを、準備資産にしています。自国の通
貨も信用が低いため、中国のように、事実上、米ドルにリンクする
ことが多いのです。

ドルリンクとは、米ドルと自国通貨を、狭い一定幅(5%以内等)
でしか変動しないように、政府と中央銀行が為替に介入することで
す。

自国通貨が上がった時は、準備預金を売ってドル買い介入をし、
下がるときは、自国通貨買い・ドル売りの介入をします。

ただし、国の経常収支(対外収支)が、中国や日本にように黒字を
続けていれば、自国通貨高の傾向があるので、普通は、ドル売り加
入の一辺倒です。日本も、円高を是正するための、円売り・ドル買
い介入しかしたことがない。

■3.新興国(BRICs)を中心にした世界の中央銀行の、
金の買い増し(2011年~)

世界の中央銀行は、2000年から2009年まで、毎年450トンの枠で、
金を放出し続けてきました(ワシントン条約)。ところが、リーマ
ン危機以降、2010年から、突然、ゴールドを買い越しはじめたので
す。

金融危機直後の2010年は、まだ77トンの買い越しに過ぎなかった。

◎ところが2011年からは、金相場を動かす規模の457トンの買い増
しに転じ、2012年は更に多く544トンもの買いをしています。

2011年からの2年で、1000トンもの金を、新興国の中央銀行が買い
増したのです。その後も、中央銀行は400~500トン/年で、買い増
しを続けています(2015年)。(下のサイトの公的部門が、世界の
中央銀行による金の買い増しの合計量(トン))

【40年間、売り手だった】
中央銀行は、金ドル交換停止の1971年から40年間、一貫して金の売
り手でした。1999年からは1年の売り越し量を450トンに制限すると
いう「売る量の制限」をしているくらいです(ワシントン協定:3
回更新)。

1990年代の米ドル一極支配(金融ローマ帝国)の中で、世界の中央
銀行が、ドルを売って金を買い、通貨価値の裏付けになる準備資産
にすることは考えられなかったからです。1999年には、「金は終わ
った」とされていました。

1971年以降は、金の裏付けがない基軸通貨を発行している米国の財
務省とFRBは、金が通貨として認識されることを、否定し続けてき
ました。

【米ドル一極体制が1990年代だった】
1989年にソ連が崩壊し、東西冷戦が終結した後、米国一極の「金融
ローマ帝国」とも言われたのが、1990年代でした。

米国が、経常赤字の累積($20兆:24000兆円)で、米ドルを散布
しても、日本、中国、欧州、産油国などの海外からは、ドル国債や
米国株の買いがあったからです。(注)ドルの帝国循環という。

海外がドル国債や米国株を買うことは、米国の貿易代金の支払いで
海外に出たドルを、米国に還流させることです。

一方で1980年代と90年代に、1オンス$250(1g=$8≒800円~
1000円)にまで下がった金は、見向きもされなくなっていました
(1999年)。

【1980年代と90年代の、FRBによる金放出】
米国FRBは、1980年代と90年代、一貫して、市場への金放出を続け
ています。20年間、金価格を下げるために、1年平均で400トンの放
出を続けたとすれば、合計で8000トンです。米国のFRBは8133トン
(公称保有量)を持ってはいません。ゼロであるはずです。

【2000年代の金放出は、FRB以外の、先進国中央銀行】
2000年代、ワシントン協定に参加した先進国の中央銀行は、金価格
が1オンス$1000に向かって上がる中、合計で1年に400~500トンの
売却を続けていました

2005年の、世界の中央銀行の合計での売り超は663トン、2006年は
365トン、2007年484トン、2008年235トンの売り超だったのです。
先進国の中央銀行が売った400トンの金が投資家に渡る過程で、金
価格は2000年に対し、3倍への高騰をしたのです。

【2008年の金融危機からの異変】
この売り越しが34トンに急減するのは、リーマン危機直後の2009年
です。翌2010年には戦後初めて、77トンの買い買い越しに転じ、
2011年には、その買い越しが457トンに増えたのです。

(注)2010年には米国FRBと同じ行動をとるIMF(中央銀行のひと
つ)が放出した400トンの金を、インドや中国が買っています。

IMFを除く中央銀行の金の買い増しは、実際は、2010年から始まっ
たと見ていい。その後、2012年には544トン、2013年は409トン、
2014年は466トンの買い越しを続け、2015年現在も、買い越しが続
いています。

世界の中央銀行、特に新興国は、なぜ、2010年から準備資産として
金を、大きく買い増しているのか?理由は明らかです。

◎リーマン危機以降、ドルの価値(実効レート)が下がって、金が
上がっているからです。ドルの価値が下がり続ければ、準備資産の
不足が生じるからです。

■4.米国FRBの、金へのスタンスについての推測

【2000年から】
2000年以降、金の価格が上昇を続ける中、米国FRBは、向こう10年
以内に、金価格を下げる必要があることを考えていたのではないか
(論理的な推理)。

2000年以降も、金価格を下げるための、主に欧州の中央銀行の金放
出は1年に450トンレベルで続いていたにもかかわらず、2009年には
金は3倍の価格に高騰していたのです。

この金の高騰は、米ドル信用の低下と見なされます。

多くの人々は、そう考えていないかも知れません。しかし、不換紙
幣(信用通貨)のドルを発行し、ドルを世界の基軸通貨にもしてい
る当時者である米国財務省とFRBは、金の高騰は、ドル信用の低下
と考えています。

民主革命を恐れるのが王であるように、頂点に立つ者は、権威の根
拠を意識しています。そして根拠の崩壊を、誰よりも強く不安に思
っています。王や独裁者は不安です。このため北朝鮮や中国のよう
に、過剰な粛清をします。

【金は大切な通貨だから、金・ドルの交換を停止する】
1971年に、ニクソン大統領が、同盟国に事前通告なしで金ドルの交
換停止を発令したとき、米国FRBは、「金がもっとも肝心なものだ
から、米国からの流出を阻止するためだ」と言っていました。

一方で、世界と国民に対して、FRBは「金はバカげた金属だ」と言
い続けていたのです。

金ドル交換停止の後、FRBは金に対し、矛盾した姿勢を示すように
なっています。事実は、本当は、FRBが大事なものと考えるから、
金と紙幣であるドルの交換を停止したのです。

大切でない金属なら、1オンスが38ドルと交換され、全部が、国外
に流出しても構わないはずだからです。

【金戦争の20年:フェルナンド・リップス】
金ドル交換停止の1971年以降、米国FRBは、市場の実勢では上がり
続ける金に対し、金価格を撲滅するための「金戦争」を仕掛け続け
ています(フェルナンド・リップス:『今なぜ金は復活か(2002
年)』)。

方法は、「売り崩し(空売り)」でした。
金は、ドルの反通貨としての性格を帯びます。

1999年の金価格は、1オンス$250(1g=$8≒900円)に下がって
います。1980年1月にピークで$850だった金は60%も下がり、金と
の戦争は、FRBの勝利に終わったように見えていました。

1999年のワシントン協定の締結は、FRBの売り崩しによって金価格
高騰との戦争は終わったと考えていた証拠でしょう。

■5.「金ETF」を使うことの決定:ETF=Exchange Traded Funds

市場の金の価格の高騰を抑えて、コントロールするには、FRBが金
を保有していなければならない。IMFの発表では、どの統計でも
FRBは8133トンの金を保有し続けています。数十年間、一桁目の数
字の変化もない。実に変なことです。

【金価格を下げる目的で、金を放出していたFRB】
1980年代、90年代の金戦争で、FRBが、高騰する金価格を下げるた
め、ブリオン・バンク(JPモルガンやゴールドマン等)にリースし、
ブリオン・バンクがその金を、売却していたことは、歴史的な事実
です。ブリオン・バンクとは、金の仕入れ・販売を許可された銀行
を言います。

ブリオン・バンクが売った金を、買い戻してFRBに返却したのなら、
限月での先物の買い戻しと同じです。買い戻す時点で、価格が上が
ったはずです。80年代から90年代の20年間、この気配はないのです。

リースされたブリオン・バンクは、金現物ではなく、現金でFRBに
返済したのでしょう。このためFRBには8133トンの所有はなく、お
そらくゼロや数百トンです。

【FRBが保管する金】
ケンタッキー州の、核兵器で守られたフォートノックスに積まれた
ゴールドバーは、ドイツ(3395トンの保有)、中国(公式発表では
人民銀行が1054トン)、日本(日銀の765トン)などが、FRBに預託
した金です。

中国政府・人民銀行の、現在の金保有量は、謎のひとつです。香港
経由の金輸入と、世界1になっている国内生産(428トン:2013年)
から、4000トン以上の金保有は確実と思われます。

金保有高は、軍事力のように国家機密に属するとされています。ド
ルの受け取りつまり経常収支の黒字が世界1大きい中国政府・人民
銀行は、世界で一番金を集めています。

フォートノックスやFRBに現物はあっても、米国FRBのものではない。
中国に渡って、問題になったことがある比重が同じタングステンの
金メッキかもしれません。

なおFRBは、海外の政府(中国、日本、産油国)と、中央銀行を含
む政府系の金融機関に売った米国債も、ほぼ全部を、保護預かり勘
定にして渡さず、保管しています。

下の1A Memorandumを見てください。custody(保護預かり勘定)の$
3兆3674億(404兆円)です。目的は、海外の政府機関に渡った国債
売買の監視です。監視とは

■6.金ETFを利用する(決して語られない、論理的な推測)

2000年代のFRBは、放出して金市場をコントロールする金を持って
いません。そこで考えたものが、ペーパー・ゴールドの金ETFでし
ょう。

ETFには、
・現物を買って保管する現拠出型のETFと、
・ETFの発行会社が、現物と同じ価格を保証しますが、現物はない
リンク型があります。

最大手のスパイダーゴールド社(SPDR)の金ETFは、現物拠出型と
されています。

・金ETFを投資家に売った時、SPDRが同じ量の金を買って保管し、
・ETFが売られたときは、該当する現物を売るのが現物拠出型です。

リンク型も、現物との価格差をなくすための裁定取引で、若干の時
間差は生じますが、ETFの価格は現物と一致します。
http://www.spdrgoldshares.com/japan/japanese/

現物の売買は、市場では大量には行いにくい。ブリオン・バンクの
現物在庫は多くなく、1000億円でも、20トンの受け渡しは大変な作
業になり、市場ではすぐに枯渇するからです。

現物が枯渇すれば、買いを入れても買いが成立しません。
このとき、証券である先物や金ETFを買う。

金ETFは、証券です。数字を書いて発行する。後で・・・(確認の
方法がなく、いつかは分かりませんが)現物拠出型なら、金の調達
が「されるはず」です。SPDR社は、どこかは明らかにしない金庫に
ゴールドバーが山と積まれた写真を見せています。

【ETFを買い集める】
FRBは2004年の金ETFの上場の時期から、10年先に金価格のコント
ロール権を奪回するため、年間200から300トン分くらいずつ、金
ETFを買い集めたと推察します。

一度に多く買えば、価格が高騰します。買い占めるときでも、1年
に200トンレベルしか買えません。もちろん、FRBが直接に買うので
はない。金の売買では、FRBは表に出ません。

JPモルガンチェースやゴールドマン・サックスなどの投資銀行を通
じ、ヘッジファンドが買うという「エージェント法」を使います。
現物金を集めないリンク債なら、「いくらでも」買うことができる
でしょう。

【400トン/年で市場の価格が動く】
年間の新しい供給が、宝飾品や電子製品からのリサイクルを含んで
も4000トン台の金市場では、年間400トン(10%)の買い超または
売り超で、市場を動かすことができます。(注)2014年の供給は、
鉱山から3133トン、リサイクル1125トン、金鉱山のヘッジ売り130
トンで、合計4362トンです。4300~4500トン台の供給が続いていま
す。

この中で、400トンの買い超とは、年間2000トンを買って1600トン
分を売るようなことだからです。市場の価格を動かすことがわかる
でしょう。

▼FRBが、価格を下げるため、手持ちの金を放出しなければならな
いくらい、金の自然な需給での価格上昇圧力は強い

FRBが、価格の高騰を抑える動きに出る理由は、市場の実勢に任せ
れば、高騰するからです。金市場は、
(1)長期的に見たときのドル安を予想し、
(2)他方では、「ドルの反通貨である金の高騰」を見越している
ことが理由でしょう。

■7.FRBによる金の売り

リーマン危機直後の2009年、金融危機への短期反応で売られた金は、
1オンス$1000(1g=32)に下がっていました。金融危機とは、金
融機関の流動性の不足であり、高値ですぐに換金できる金は、不足
する現金を得るために、最初に売られるからです。金融危機の初期
の3~6か月間は、金価格は下落します。

金融危機を防ぐQE1は08年11月~10年6月までで、$1.75兆(210兆
円)という大きな規模でした。
・その後、QE2(10年11月~11年6月)が$6000億(72兆円)、
・最後のQE3(12年9月~14年10月)が$1.7兆(204兆円)でした。合
計で$4.05兆(486兆円)の、ドルの増刷です。

【2010年4月からの金価格高騰】
09年8月から8か月間の下落と停滞を経て、ドル安・ユーロ安と反対
に、大きなうねりのように金価格が上昇し始めたのは、米国の第一
次の量的緩和マネー(QE 1)が、金融機関の当座預金に、$1兆
(120兆円)増えた2010年5月からでした。

(1)準備通貨にしてきたドルの下落を恐れた、
新興国の中央銀行の買い増し(400トン台)、
(2)世界の投資家の、ゴールドバーの買い増し(200~400トン)、
(3)ヘッジファンドによる、金ETFの買い増し(200~300トン)
を原因に、2011年、2012年の高値($1700~$1900)に上がります。

他方、既述のように、FRBによって300兆円という規模で増刷された
ドルの実効レートは2009年の98から、2012年には80に下がっていま
した。

●経常収支の赤字を続ける米国にとって、米国債が海外に売れ、保
有され続けなければならない。

08年のリーマン危機の時の財務長官ヘンリー・ポールソンは、「中
国がもつ外貨準備のうちの$1兆(120兆円)の米国債を、大量に売
却するのではないか」と恐怖を覚えたと回想しています。数千億ド
ル規模であっても、米国債が中国から売られれば、価格は暴落し、
金利は高騰して、米ドルも暴落するからです。

このため、人民銀行の周小川総裁に電話をかけて、ドル債を売らな
いように求めています。米国の財務長官(日本で言えば財務大臣)
が言う、米国に不利な材料ですから、これは本当のことでしょう。
(近著:『Dealing With China』邦訳はまだない:著者ヘンリー・
ポールソン、ヘッジファンドのジョン・ポールソンとは別人です)

ここが、国際金融の資金還流で、もっとも肝心なところです。

◎「米国は、海外に、1年に$5000億は、米国債を売り続けなけれ
ばならない」 国際金融の、基本線を決めていることがこれです。

■8.経常収支が赤字のドルが、強い通貨でなければならないという
矛盾が、2013年の、FRBによる金売り崩しの原因

【米ドルと金】
海外が米国債を買って保有し続けるには、米ドルは、強くなければ
ならない。ドルの実効レートが20%下がることは、米国債をもつ海
外(中国、日本、欧州、産油国)にとって、米国債の保有において、
20%の為替差損が生じることです。弱い通貨の国債は、売られます。

一方で、金はリーマン危機以降、1.9倍に上がっていました。これ
も、米ドルの評価の低下を意味します。ドルの下落と金の高騰は、
中央銀行が、準備資産としてのドル債を減らして、金に切り替える
動きを生みます。

【中央銀行にとって、通貨論争はない】
世界の中央銀行は、エコノミスト達が延々と続けている「金は通貨
か?」という論争には、参加しません。もともと、本源的な通貨は
金だという認識だからです。紙幣は、本当の通貨に交換することを
禁じられているからこそ、不換紙幣や、法律貨幣と言われます。

▼2012年からの金ETFの売り

◎金の1.9倍への高騰を見た米国FRBは、金価格の値崩しに出動した。
これが2012年から始まり、2013年に880トンにもなった金ETFでの売
り越しであり、2014年の160トンの売り越しでしょう。

推測ですが、断言してもいいことです。米国FRBは、投資銀行とヘ
ッジファンドに依頼して、1990年代のように「金崩し」に出動した
のです。(注)FRBは決してこうしたことは言いません。論理的な
推測に拠らざるを得ないのです。

売りとは言っても今度は、FRBは1980年代や90年代のような8000ト
ンの金をもっていません。最大でも1500トンの金ETFだけです。こ
れを2013年と2014年に、1040トン売り越したのです。

【ETFの売りで、1オンス$1896から$1266に下がった金価格】
このETFの売りを主因に、
・1オンス$1896(1g=$61:2011年9月)だった金価格は、
・2012年には、$1668(年間平均価格)に下がり、
・2013年は、$1411(1g=$45)と更に下がり、
・2014年は、$1266(1g=$41)でした。(33%下落)

そして、2015年7月11日現在、$1163(1g=$37)です。
http://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/

円の小売価格では1gで5025円(税込)で、高い価格を維持してい
るように見えますが(2015年7月)、それは、円安/ドル高のためで
す。

▼参考情報:基軸通貨

本来は、米国のように、経常収支の赤字が続く国の通貨は下がって、
輸入が減り、輸出が増えることに向かわねばならない。これが、変
動相場がもつ、自動調整機能です。

ところが一方で、米国は、財政赤字のために発行する新規国債の
50%を、海外からの買いに依存しています。海外に国債が売れるに
は、ドルが、対外的に強い通貨でなければならない。

この矛盾が、ドル基軸通貨体制にはあるのです。

根底的なことを言えば、経常収支が赤字の国の通貨は、基軸通貨を
果たし得ない。これが、米ドルが基軸通貨であることから生じ、い
つまでも続く矛盾です。この矛盾のために、FRBは、真の国際通貨
である金の価格上昇を、敵視し続けなければならないのです。

基軸通貨は、ケインズが唱えた「バンコール」や、IMFの通貨バス
ケットである「SDR(特別引き出し権)」でなければならない。バ
ンコールやSDRは、どこの国の通貨でもない「国際通貨」です。
IMFは、ギリシアにSDRを貸しています。

こうした体制が見えるのは、米国主導のIMFに似たAIIB(アジアイ
ンフラ投資銀行)を拠点に、東南アジアで通貨圏を築こうとしてい
る中国のGDPが、米国に近づいたときでしょう。

2013年のGDPは、中国$9.24兆(1100兆円:日本の2.2倍)、米国$
16.77兆(2000兆円:日本の4倍)です。中国は、赤字通貨のドルに
よる支配に帰属することに、抵抗しています(人民銀行:周小川総
裁)。

経済力であるGDPは、海外との関係では国力です。テロ戦争を除け
ば、軍事力も、兵器を作る経済力がベースです。経済力と軍事力を
背景にして、その上に、政治である外交があります。

本稿では、決して書かれることのない、金と基軸通貨ドルの抗争を
書きました。これを見ないと、金価格の、1980年から2014年の、
34年間の変動の意味がまるで分からないのです。本稿はここまでに
し、次号へ続けます。

             *

2012年、13年にFRBが主導した金ETFの売りで、値崩しされた金が、
今後どう向かうか? 通貨体制の長期的な方向を含んで、論じます。
長期的な金価格のカギを握っているのは、中国です。

【後記:ギリシア危機と中国株の下落】
ギリシアの国会は、年金と公務員給料の削減と、VAT(付加価値
税)の増税を含む財政緊縮策可決しました(15年7月12日)。国民
投票で、緊縮策にNOが出たにもかかわらず、議会は緊縮策を承認し
たのです。

1週間で正反対へもぶれますが、債権国とIMFが資金支援する名目は
立ちました。ユーロ離脱は避けられるでしょう。もともとユーロか
らの離脱はなく、条件つきで支援での合意という感が強かったので
す。

ユーロでは、ドイツによる独走を防ぐため、加盟国の1国でも反対
すれば意思決定ができない制度を敷いています。このため、あらゆ
る決定で、無意味にも見える遅延と紆余曲折があります。ユーロ民
主主義のコストでしょう。

中国株は、政府による、1600社(約50%)もの売買停止処理がされ
て、株の売買は、信用を含んで、急減しています。政府からの資金
投入もあり、7月6日に3400の底値をつけたあと、7月13日には3970
ポイントにまで回復しました。6月12日の5100ポイントからすれば、
22%安の水準です。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/ssce.html

異常な対策での回復です。売買が再開されるときには、どうなる
か?市場の死を意味しますが、値幅制限という、社会主義的な究極
策がとられるかも知れません。

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<774号:ギリシアのデフォルト危機の深層>
        2015年6月24日
【目次】

1.まず、「ドイツが輸出で利益を得るEU」 の確認
2.ギリシアがユーロに加盟する2000年から、始まっていた偽装
3.税府財政の赤字を、GDP比3%に偽装した
4.CDSの仕組みと、金融機関の利益と危機
5.世界のCDS 1920兆円
6.世界金融危機の再来は、3年以内なら確実
7.ユーロであることの利益
【後記】

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#46634 間も無く、金星逆行

金星の逆行(2013/12/22〜2014/1/31)に大きくゴールドは上げた。間も無く、金星の逆行(7/25〜9/6)が始まる。前回は金星の逆行中上がり続けた。もう少しの辛抱だと思っている。
#46635 No title
金投資は一朝一夕で考えているようであればやめておいた方がいいと思います。

任侠世界で、任侠は「馬鹿でな れず、利口でなれず、中途半端じゃなおなれず』という言葉がありますが、金投資も同じだと思います。つまりは我慢して長期的視野に立って投資するくらいの覚悟がいるんだと思います。
#46636 No title
みなさん、こんばんは。

picachu1234さん、良い記事なんだが、ちょっと長いね。

mirainimukete 2017さん、さすがに売られ過ぎ感がありますね。

Steinさん、私もそう思いますよ。しかし、かなりの精神力を要求しますね。

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