幻の人民元金本位制
ドル基軸通貨体制が揺らぎ始めた昨今であるが、長い年月を掛けてドルは後退していくのかもしれない。人民元が今後は強い通貨になっていくとは言われているが、ハードカレンシー化はまだ先のことなのかもしれない。そうした中でも去年はいろいろな事が起こった1年であった。中国のIMFへの増資とSDR債の購入が900億ドルであるから日本のレベルに近い。将来の通貨バスケットに人民元が加わるのは間違いないだろう。また中国はブラジルと2国間決済を締結し、通貨スワップ協定を6カ国(香港、インドネシア、韓国、マレーシア、ベラルーシ、アルゼンチン)と結んでいる。さらに人民元決済を東アジア諸国(ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー)に拡大しつつある。人民元建て国債の香港での発行も目を引く出来事であった。人民元の自由化への道は着々と進んでいる。そこへきて金準備を10000トンまで増加させるとの発言には度肝を抜かれた。私には人民元がドルと同等の要件を満たそうとしているように見えてしかたがない。中国は先物取引所の開設、取引開始を急いでいた。ドルとNY(COMEX)はワンセットなのである。膨大な通貨量を利用して先物相場を操り、すべての商品と通貨を管理するのである。これが基軸通貨の特権、果たしてそれを掴み取る事ができるであろうか。そこで最後に浮かび上がってくるのが幻の人民元金本位制の可能性である。
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