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システムチェンジは容易ではないが・・・

去年1年間ずっと考えていたんだが、今の通貨システムがどのように変わるのかと。現在のドル安はもう止められない。どうすればこの状況から脱する事ができるのかと。新通貨アメロ導入、SDRへのリンク、コモディティバスケット制導入、金本位制への復帰等いろいろあるのだが断定するのは難しい。個人的には変動相場制を固定相場制に戻せば多くの問題は解決するように思うのだが、となると多くの取引が消滅する事を意味しており難しいのだろう。SDRを利用するのは最も現実的な選択と思われる。主要国すべての通貨をSDRにリンクさせるのは不可能ではないと思うが、米国の支配力は大幅に低下するだろう。そういった理由で米国は首を縦に振らないのではないだろうか。新通貨アメロはどうだろうか。個人的にはアメロ、コモディティバスケット制、金本位制は狙いが同じだと見ている。ドルにアンカーを掛けて下落を防ぐのが狙いである。問題はどれが現実的なのかだ。私は最も現実的でないと言われている金本位制に注目している。米国が金本位制を実施できないだろうと言われている理由は多数ある。1つは8133トンと言われている金準備が実はほとんどなくなっているんじゃないかという点。もう1つはこれだけ増えてしまったマネーサプライに対して実物の金が不足しているという点などである。だが実際は金本位制導入に対してそれほど多くの金準備は必要ないとの見方もある。過去のニクソン・ショックが起こった背景は金兌換により米国の金準備が他国へと大量に流出してしまった事による。まあ、これは単なる理由付けにすぎないかもしれないけどね。投資家がゴールドに対して真に必要としているのは価値保存機能とリターンである。ゴールドそのものが欲しいわけではない。実際に金兌換する人間は少数なのである。これは銀行のシステムと同じだ。多くの人は銀行にお金を預金するが引き出すお金はほんのわずかである。銀行の預金準備高は5%程度であり、その他のお金は貸し出されて信用創造がなされていく。これを繰り返してマネーが膨張していくのである。もともとある金準備でマネーサプライすべてをまかなえるものではないのだ。5%とは言わないが金準備はある程度保持していれば良いと思う。問題は基本的に金兌換できなくする必要があるということだろう。基本は米国内でしか金兌換できないとか国外持ち出し不可にすれば金の国外流出は防げる。これは現在の金ETF(SPDR)とまったく同じシステムである。恐らく米国はSPDRで将来の金本位制復帰の可能性を模索しているのではないだろうか。もし米国で金本位制が実施されるとしたらSPDRとまったく同じシステムが導入されると予想する。あと米国に金準備があるかどうかであるが、通貨制度とは本来信用で成り立っているものである。ドルに価値があるのは米国という国に対する信用の現れである。米国に金準備が実在しようがしまいが多くの人が金準備が実在すると信用しているのなら金本位制は実行可能なのである。結論としては金本位制は大統領が宣言すれば明日からでも実現するシステムである。
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去年は上げたように見えるが・・・



去年の金価格の動きを見直してみると後半随分上げたように見えるが年間を通じてみると25%程度の上昇であった。これは2007年から2008年への上昇率とさして変わらない。また、2005年から2006年の上昇率に劣る。振り返ってみると騒がれているほどの急騰とは言えないのである。まあ、去年は前半ボックス状態が続いたので退屈であったが、後半一時的に急騰してイメージ的に大相場であった感が強いが振り返るとそうでもないように見える。ドル安が大幅に進んだ割にはゴールドはそれに見合った上昇はしていないとも言える。だが、もしあのまま上昇が続いていたらどうなっていただろうか?