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2008年が終わる

波乱の2008年が終わろうとしている。今年は大きく資産を減らしてしまった1年となった。残念ながら株価予想や金価格予想は大きく外すこととなってしまったが、経済動向や金融動向は当たっているのではと思っている。来年は実際に相場の方が予想に近づく動きを見せるかどうかを見極めて行きたい。2009年はいろんな意味において大きな節目になるだろう。ドルを取り巻く環境はこの1年で劇的な変化を見せた。よもや米経済の崩壊が現実になろうとは誰も思わなかったと思う。2009年は劇的な通貨システム変換の年となるかもしれない。しかし、この乱世の中偶然とは言え、よくぞこれだけの人が集まったものである。多くの仲間達と出会えた事を感謝して今年最後の更新としたい。みなさん、良いお年を。
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ドル崩壊は絵空事ではない

元ソニー社長の出井氏がインタビューに答えて面白いことを言っている。「世界経済の今後の行方を見る一番のポイントは為替だと言う。ドル崩壊のハードランディングをいかに防ぐかが重要だとコメントした。」ドル崩壊とはっきり言っている事が重要。「大半の通貨がドルに固定され、円とユーロが変動する今の仕組みを見直す必要がある。ドルと連動した通貨はどんどん価値を下げており、こういう状態なら早く円に換えようという動きが強まり、ますます円高が進む。1995年に1ドル、79円まで円高が進んだが、今回はその水準を超えると言う。」こういう人がここまで言い切ると実感が湧いてくる。世界の通貨はすでに減価が始まっているのだ。しかし、今は円に集中しているが、円自体まで減価し始めると恐ろしい事になる。日本の銀行にまでサブプライムの被害が出始め、景気減速が深刻になるようだと円にも影響が出始める可能性がある。「これはかつてのブレトンウッズ体制のように、もう1度各国が集まってシステムを作り直すしかない。」ここでもブレトンウッズ体制という言葉が出てきた。現在のゆがみは自然のメカニズムでは直らないらしい。これは放置すればするほど重症化すると思う。手遅れになる前に新通貨を導入するべきだろう。

PS.12月30~31日まで旅行のためブログの更新は休止いたします。鳥羽の方まで行ってきます。なお、明日の夜は今年最後の更新を行いますのでよろしく。

2009年に想定されることは・・・

みなさん方よりいただいたコメントから来年起こりうることをまとめてみました。

①COMEXの破綻
②米国株の暴落
③各国の失業(景気減速、経済の破壊)
④金本位通貨の誕生(アメロ)
⑤ドル切り下げ
⑥米ドルの崩壊
⑦貨幣価値減少(紙幣の供給量の増大)
⑧インフレ(ハイパーインフレ)
⑨米国国債暴落
⑩米国のデフォルト宣言
⑪ドル減価による内乱
⑫イスラエル、中東、インド、パキスタンにおける戦争
⑬資源ナショナリズムの激化

こんなところでしょうか。なにか抜けていたらご指摘下さい。

①はCOMEX金先物のバックワーディションの問題です。今のところはまだピクッともしていません。いずれ破綻して金価格暴騰につながるとの見方が多いようです。

②③は連動していますかね。米住宅価格の下落はまだ止まっていません。サブプライム問題の経済に与える影響は多大なものになってきました。今後の米国株はさらに下落していくという見方です。

④⑤⑥⑦⑧は1つにまとめます。すべてドルの下落に関するものです。米金融政策はすべてドルを弱くするための政策である。連続的利下げでゼロ近辺までFF金利は下がった。資金供給は今だかつて経験したことのない膨大な供給量である。その結果の打開策としての新通貨発行を予想。

⑨⑩はサブプライムによる米財務省やFRBのバランスシート破壊や米ドルの下落、米景気減速による税収の減少などから米国債の償還に対する信用棄損などにより米国債の暴落が起こり長期金利が急騰することを予想している。結果的なデフォルトは最悪のケース。しかし、ありえないシナリオではない。

⑪⑫は内乱や戦争を予想している。過去の歴史を振り返ると不況時に戦争はよく起こる。実際、イスラエルのガザ空爆が起こっているように気が抜けない状況である。

⑬商品価格下落時にまってましたとばかりに資源確保に走る国家は存在する。日本も指をくわえてみている場合ではない。

2009年金価格予想(ゴジラと愉快な仲間達篇)

2009年金価格予想に参加いただきましてありがとうございます。予想いただいた25名の皆様の集計をしました。ただ3名の方は集計が難しいため別段といたします。以下にまとめます。

Forecast 2009
              high   low   average
亜Q           3000   840   2200
らおう          3000   790   1600
HFMgr          3000   700   1700
和            2600   800   1300
yuji            2500   800   1500
walnut          2500   800   1000
akasakaten       2400   650   1000
霞の飼育員      2200   820   1200
mingon         2000   840   1200
ゴジラ          2000   800   1200
ginⅣ          2000   720   1200
ZAR大好き       2000   700   1000
Jupiter         1800   800   1200
ranian123       1800   750    900
禅師           1500   900   1100
九州人         1500   840   1000
武漢ちんつ~     1500   750   1200
たける          1400   610    900
少佐           1300   850   1100
金猫ニコル       1200   550
サラリーマン      1100   700   950
ルル           880    500   720

Average forecasts   1963   787   1199

こんな感じになりましたが、当然ゴールドに強気の方の集まりですから高めの予想になると思います。集計困難として入れなかったのはひつまぶしさんの8000~10000ドル、40000ドル?とSteinさんの100000ドル?2000ドルと金太郎さんの新ドル通貨300ドルの3つです。みなさん、ご協力ありがとうございました。

先週の金価格

12月   London   NY(COMEX)
22日   849.00    847.60
23日   843.50    840.00
24日   836.75    847.00
25日   
26日           868.70

平均   (809.16)

*クリスマスを挟んで最終金曜日に急騰しました。それでも大したことはないんだけど。バックワーディションの問題は解決されないまま年末へと突入しようとしている。今週はどうなるんでしょうね。誰かがCOMEXに金現物の補充でもしないかぎりドボンですよね。

運用難の年金基金

毎年年末になると年金基金の来年度の運用配分についてのニュースが流れてくるのだが、何やら運用難との声が聞こえる。確かにカルパースなども今年の運用成績はマイナス20%だという。来年は大幅な運用配分の変更があるやもしれない。米景気減速は想像以上のスピードで迫ってきている。住宅価格は未だに底を打たない。機関投資家としては動き難い事この上ない。今後は商品配分も増えるのかもしれない。そんな中、クリフウオーターLLC、クンズ・アンド・アソシエート、ウィルシャー・アソシエーツの3社を商品関連資産運用のコンサルタントとして指名している。また、時限措置を採用するようだ。カルパースは株式での運用は全運用資産の66%を上限としていて、これまではこの上限の上下5%までの増減を認めていたが、今回の措置でこの幅を上下15%となる。2009年の相場環境はかなり荒れると見ているわけだ。

日本の銀行が破壊される時

ranian123さんが引用してくれた記事ですが、いよいよ比較的傷が浅いと言われていた日本の金融機関にもサブプライムの毒が全身に回り始めてくるのか?みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、野村HDの4社は国際的な共同監視の対象になった。安全な金融機関であるのなら監視の必要は無いはずだが、ここで問題にしたいのはファニーメイ債やフレディマック債などを大量に持っている三菱UFJである。3兆3000億円というのはただ事ではないが、これが紙屑になるとここは傾くだろう。最近、ニュースとして流れてこないが、これらの企業を救済したときよりも今の住宅価格はさらに下落している。当然住宅ローンのデフォルト率も上昇している。これらの債券の価値は相当棄損してきているはずである。米政府はこの2社の負債総額530兆円を保証することは現実問題として無理だろう。このファニーメイ債とフレディマック債の金融機関破壊ミサイルを炸裂させる前に影響の及ぶ金融機関は監視下に置く必要がある。しかし、こいつが爆発するとなると米国自身のデフォルトの可能性も否定できない。やっぱり来年は波乱の1年になるのだな。

張り付いた金価格の意味するものは・・・

どうも金価格が動かなくなっている。まるで張り付けにあっているようだが、どうなっているのか?他の商品は惨憺たる状況であるが、特に原油は一時の高騰が嘘のようだ。40ドルを割り込むなんて誰が想像しただろう。不思議なのは原油とゴールドはある程度の相関があると言われているが、原油の暴落と比較するとゴールドはたいしたことはない。なぜゴールドは原油に連動しなかったのか?原油からは大量の投機資金が抜け出していったと思われる。高騰の原因のひとつには一部の投資銀行が吊り上げ相場にしていた背景もあるだろう。それがリーマン・ショックなどの金融危機の発生により資金引き上げを余儀なくされた。ならばゴールドも同様なのだが、ゴールドは持ちこたえている。もちろん、私達金投資家は逆相関すると見てはいるが、一旦同様の動きをしてもおかしくはない。現在は原油とゴールドの相関性はかなり薄くなっていると言える。金価格の方はリーマン・ショックの時から時折火柱が見られるようになった。それはイベント発生時によく見られるが、その都度かき消されてきた。今の金価格は原油とは離れて金融危機や経済的な危機に反応を示すようになっている。ゴールドは何が悪いのかを指し示しているのだ。そして現在膠着状態に入っているが、静か過ぎると思う。静かといえば米国債市場も静かである。唯一の無風市場と言っても良いかもしれない。不自然なぐらいに。ダウも大下げはしなくなった。しかし、経済環境はかなり酷くなって来ている。それらのニュースに耐性が出来てきたのか?反応が鈍いのか?それとも抑える力が働いているのか?嵐の前の静けさといった感じがしてきた。

来年の金価格予想をしてみよう

今、投資小僧さんとこで金価格に関するアンケートをやっているようですけど、みなさんはやられましたか?面白そうなんで私も昨日投票してきました。回答は2000ドルさえも超えると思うをクリックしまいた。コメントは入れてないんですが、見ているといろんな意見があって面白いですね。当ブログでも来年の金価格予想をやろうと思うんですが、いかがでしょうか?2009年度の金価格予想をコメントとして入れてください。LBMA形式で行こうと思います。記載例(高値2000ドル、安値800ドル、アベレージ1200ドル)という感じで3つ入れてください。なお、ハンドルネームを忘れずに入れてください。コメントをいただければベストですが・・・。

*ご回答ありがとうございます。27日いっぱいまで受け付けようと思います。その後、集計いたしますのでよろしくお願いいたします。ちなみに私の予想は記載例に記載しております。問題は来年イベントが起こるかどうかです。起こりうることはみなさんコメントに入れられていますが、それがどの時点で起こるかによって予想はかなり影響を受けるでしょう。私は来年米国債が売れ残る可能性があると思っていますが、FRBによる米国債の購入はそれなりの延命効果はあると思います。そのへんが計算できないのが難しい。ドルに関しては大きな下げ圧力がかかるでしょう。切り下げという形を取るかどうかは分かりませんが、結果的にゴールドは新局面を迎えるという見方です。

2008年の金価格予想は・・・

2007年12月28日のブログ記事を見ていただきたい。「来年の金価格予想」という記事が出ている。これはbloombergの記事から取ったものであるが、今年の金価格の予想を各社が出している。ちょっと検証してみたい。主なものを上げてみるとCitigroup$750、Morgan Stanley$800、Deutsche Bank$820、Merrill Lynch$743、JPMorgan$814、UBS$760、James Turk $1,100などである。大体大手金融は低めに出す事が多く、まず当たらない。ジェームス・ターク氏だけが1000ドル以上の予想を出していて最高値としてみると最も近い。話題のUBSはやっぱり大外れ。

次に2008年の1月14日の「LBMAの金価格予想」という記事を見ていただきたい。ここのメンバーの金価格予想はなかなか鋭い。ここの予想はアベレージと高値、安値の3つが出されているので分かり易い。今年のここまでの状況は高値が1011ドル、安値が713ドル、アベレージが872ドルとなっている。ここのメンバーの平均値が1009ドル、744ドル、862ドルだからほぼ当たっていると言って良い。データは下記サイトを参照してください。

http://www.lbma.org.uk/pubs/forecasts

米国債は価値を維持できるか?

主な米国債保有国(in billions of dollars)
2008年   10月   9月   8月   7月   6月   5月
中国    652.9  587.0  542.4  518.7  503.8  506.8
日本    585.5  573.2  586.0  593.4  583.8  578.7
英国    360.2  338.3  308.0  291.5  280.4  272.5
カリブ    219.5  185.3  148.9  133.7  122.4  104.7
産油国   187.7  182.1  180.6  173.9  170.4  164.3
ブラジル  134.5  141.9  146.2  148.4  151.6  151.4

FRBの米国債買い上げの思惑などから平静を装っている米国債であるが、前途は多難である。今のところ米国債は大人気で買われまくって長期金利は低下傾向にある。国家の破綻を示すような傾向は見せていない。しかし、バーナンキのヘリコプター作戦は強烈で湯水の如くドルを撒き散らしている。米景気減速は尋常ではなさそうで今後米個人消費は落ち込んでいくだろう。これから米国民は借金を返済していくサイクルに入っていくため当分消費には回らない。当然将来の税収の落ち込みから米国債償還への不安が出てくる。しかし、そんなそぶりは微塵も見せない。米国債にはとびきり邪悪な魔法がかけられているようだ。同じ事を日本がやったらどうなるか?考えただけでも恐ろしい。主な米国債保有国を見ると上記のようになる。リーマンショック以降中国はよく米国債を支えたと言えるがここにきて中国は米国が経済改革しなければ米国債の購入を停止すると言い始めた。実際、米国債購入に影響が出始めているらしい。産油国は原油価格低下の影響からこれ以上の伸びは限られるだろう。怪しいのは英国とカリブの金融センター?だと思うが、巧みに米国を支えている。カリブはタックスヘブンっぽいな。日本は微妙に減らしているが、大幅な買い越しは難しいだろう。やっぱり中国が大きく米国債を買ってくれなければ価値を維持するのは難しい気がする。

金リースレート、再びマイナスヘ

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なにやら再び金リースレートが異常値を記録している。先週の金曜日にマイナス値を示しているのが分かる。この日は思わぬ金価格の下落を起こした日だった。普通は金リースレートの下落により金キャリートレードの巻き戻しが起こり金価格は上昇すると考える。恐らくこの日に巻き戻しは起こっていないだろう。それはこの日に金価格は大きく下げていたからである。何故なのか?と私は思っていた。私は瞬間的にリースレートが下がる理由を説明できないが、金価格との関係から考えるとこの瞬間にほとんどゼロ金利で金を借り受け市場で売却したため金価格が下がったと考えられる。その後リースレートは元に戻っている。3ヶ月物だけ動きが無いのは不思議ではあるが。金価格はその後戻してきている。この動きにどういう意味があるのか?

このデフレは・・・

7月まではインフレの雨アラレだったのに一転してデフレスパイラル、いったいどうなっているのやら。しかし、面白い見方があるらしい。お昼に本屋さんで立ち読みしてたんだが、7月のインフレがまだ猛威を振るっていた頃、実際物価は上がっているんだが、金価格から見た場合の物価はそう大して上昇していない事が分かるらしい。どういうことかというと物価が上昇しているのではなくてドルが減価しているだけだということになるらしい。その後はリーマン・ショックなどもあり、膨大な資金引き上げもありで商品価格は急降下していった。かくして本来ありえないドル高になったのだ。本来物価とは貨幣の流通速度×マネーストック/財・サービスの供給量という関係が成立するといわれている。今は物凄いレベルの資金供給がなされているが、貨幣の流通速度がまったくないため物価は上昇しない状態となる。貨幣の流通速度が正常化するということは銀行機能が正常化して流動性が回復する事を意味しているが、猛烈なドルの減価が起こる可能性が高い。ジム・ロジャーズはドルの価値は90パーセント減少すると言っている。少し大げさだが的は得ていると思う。今の状況は非常に際どいと思うが、このまま新通貨に移行するのは手段としては正しいのかもしれない。

先週の金価格

12月   London   NY(COMEX)
15日   826.00    836.90
16日   838.25    857.50
17日   870.00    867.40
18日   855.25    853.10
19日   835.75    837.90

平均   (801.76)

*850ドルを突破して上抜けしたと思われたが、伸び悩んでいる。どうも今の価格帯がキーになっているようだが、今年も残すところあと僅かとなってきた。果たして年内に見せ掛けと現実のギャップは一致するのか?

積極的な量的緩和は・・・

世界中の利下げ合戦は迫力がある。それと同時に量的緩和も凄まじい。日本もついにコマーシャルペーパー(CP)の買い切りなど市場への新たな資金供給策も決定し米国に同調することになった。日本はバブル崩壊時にも量的緩和を積極的に行ったがデフレから脱却することは出来なかった。何故か?ゼロ金利に突入した日本には円キャリートレードが起こってしまった。ジャブジャブにしたはずのマネーは国外へ跳んでいってしまったのだ。かくして日本はデフレから脱却できなくなったのだと考えている。現在の米国も資金供給は尋常ではない。何故デフレ傾向なのか?これは資金供給された資金がFRBに逆戻りして預金準備になっている事に起因する。つまり金融機関はキャッシュを握り締めていなければ危ない状態にあるのだ。このままでは流動性はいつまでたっても回復しない。さらに追い討ちを掛けるように景気減速が忍び寄る。米個人消費は急低下するだろう。それに連動するように住宅価格は下落していく。当然金融機関の評価損は拡大し、これが致命傷となる金融機関が出てくるだろう。その前後でまた大規模な資金の引き上げが起こり破綻する国が出てくるかもしれない。ジャブジャブにしているのに逆に流動性は枯渇していく。何かが間違っている。そう、駄目な金融機関は潰さないといけないのである。そうすればすべては正常に機能するようになる。世界の癌は米国の銀行なのだ。

利下げ合戦の果てにあるものは・・・

昨日はついに日本も利下げを行った。政策金利は0.2%引き下げてられて0.1%まで来てしまった。世界中が利下げ合戦に突入したが、各国とも自国通貨を切り下げたいようだ。景気が悪化してきているわけだから当然ともいえるが、すべての通貨が価値を落としていることになる。ドル安だ、ユーロ高だと言うが、そうではなくすべての通貨が減価し始めているのだと思う。これは非常に危険な兆候だと思うのだが、多くの人が通貨の価値に疑問を持ち始めたらハイパーインフレ化してしまう。そのバロメーターになっているのが金価格である。恐らく世界の公的機関は金価格の動向に注意し始めていることだろう。昨夜は押さえ込まれた金価格であるが、今の背景を考えると分からないでもない。

Gold/XAU Ratio

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これはGold/XAU Ratio である。金価格を金鉱株指数(XAU)で割ったものである。過去25年間Gold/XAU Ratio は4を挟んで上下していた。ところが今年はありえない事に一時11をマークしていた。現在は8を切っていると思うが、金価格に対して金鉱株は異常な安値を記録している。

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これはXAUとGold/XAU Ratio を同時に示したものである。少なくともXAUは現在の2倍程度になる必要がある。

ゴールドは何で下げたのか?

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昨夜から今日に掛けてゴールドが弱含んでいるが、何故下げたのか?確かに200日移動平均線にタッチして下げて行ったようだ。米利下げによりトレンドの変化を感じたが、なかなか素直にいかないようだ。

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ドルインデックスは物凄い勢いで下げていたんだな。その割にはゴールドの上昇は大した事なかったのである。要するにまだ管理下にあるということである。気になるのは原油が異常に安くなっている事。gold/oil レシオはひっくり返っているだろう。

トレンドが変わったか?

ゴールドの動きがハッキリとしてきたような気がする。FRBの思い切った利下げが金相場の方向性をはっきりとさせた感がある。しばらくはじわじわと上昇しそうである。金リースレートも下げ下げである。そろそろ開放されるのかな。個人的には年末までこの調子で行くんじゃないかと思い始めた。また、SPDRがコンスタントに動き出しておりトレンドが切り替わっている事をうかがわせる。終わりよければすべてよしと行きたいものだ。

*金ETF残高929.44トン+65.70トン(12/18現在)

推薦図書のご紹介

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「次に不足するのは銅だ」 谷口正次 著 アスキー新書 752円

ピーク・オイルという言葉はよく聞くと思うが、この本ではピーク・メタルと言う言葉が飛び出してくる。一時期レアメタルがないとか言っていたが、実際これから問題になるのはむしろベースメタルの方だという。このままの消費量でいくと銅の寿命はあと44年、鉛は16年、亜鉛は38年だと言われる。しかし、銅は明らかに生産のピークを迎えつつあるという。それは品位が明らかに低下してきているからである。銅鉱石の品位は1930年当初1.8%だったものが今では0.6%になっている。最近専門家の間ではピーク・オイルではなくピーク・カッパーの時代に入ったと言われている。そのせいか中国は特に銅を欲しているようで世界中の鉱山を買い占めている。なかなか面白い一冊である。

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「金融大崩壊」アメリカ金融帝国の終焉 水野和夫 著 NHK出版生活人新書 700円

サブプライム関連の本は何冊か読んだが、この本はなかなかしっくりくると思う。米国実質住宅価格は今年6月時点でまだ28%割高となっている。下落ペースが年率10%ぐらいだとするとあと3年でやっと下げ止まる。レバレッジの解消はまだ続くと考えられるし損失の確定は住宅価格が下げ止まらなければ出来ない。米国の景気の回復はかなり先になる。今後米国は主役の座からは降りていく事になる。不況に陥っていく米国は増税は出来ないので国債に頼るしかないが国債に償還のあてはない。今行っている公的資金の注入はドル危機の危険をはらんでいる。このブログでもよく出てくる内容と合致しています。とても気に入った1冊です。

驚きのゼロ金利

昨夜のFOMCには驚いた人もいるかもしれない。一気にゼロ金利に突入した。FF金利を0~0.25%と幅を持たせたのは実際に市場で取引されている金利が下回り一定の誘導水準を厳格に維持することが難しいためらしい。ここにきての景気の急減速は目を覆うばかりである。インフレ圧力は相当後退している。そのために思い切った大幅利下げに踏み切ったものと思われる。

今後の焦点は金融市場の機能を支え景気を刺激することに置かれる。FRBはモーゲージ市場と住宅市場を支援するため今後数4半期の間に機関債やモーゲージ担保証券(MBS)大量に買い入れる。さらに長期国債買い入れの潜在的メリットを評価している。今後もFRBの資産規模は拡大しバランスシートは悪化していくだろう。米国債の買い入れにも言及しており今後大量に発行される米国債が売れ残る可能性を示唆している。

今年最後のFOMC

今年最後のFOMCが始まっている。大方の予想では少なくとも50bpの利下げと言われているが、それ以上もありえるということか。しかし、すでに現状でも1.00%のFF金利である。思えばよくぞここまで下げてきたものである。どうやら市場は金利よりも声明で新たな量的緩和策が盛り込まれるかどうかに注目しているようだ。バーナンキFRB議長は事前に米国債の購入を通じて長期金利の低下を促すと言っていたからその辺が焦点か?市場の方も様子見気分となっているようだ。金リースレートは1ヶ月物だけ大きく下げてきているが、短期的に大きく上げる可能性があるのかな?と思わせる。SPDRの動きも相変わらず怪しい。ここ最近7トンほど残高が増えているが、700ドル台では買われずに800ドルを超えてからやっと買いが入りだしている。すっかりSPDRが動くと下げ始めるというイメージが付いてしまった。さて、FOMC後にどちらに振れるか?

Backwardation

質問が多いので少しバックワーディションについて書きます。この問題は実際どういう形でけりが付くのだろう。金先物と現物価格に大きな価格差があるとCOMEX金先物市場で現引きして金現物を手に入れる。これが今だと825ドルぐらいだとする。ここで得たゴールドをeBayで売却すると物によっては1100ドルが付いていたりする。そこで売却すると大儲けができるわけですが、これを無限に繰り返していくと一財産築けるのでは?ということになります。ただ、COMEXの金在庫には限りがあって実際は足らない。ということになると大変な事で商品取引所として成立しなくなってしまいます。しかし、投資家たちがこの歪に目をつけ現引きを殺到させるとCOMEXは破綻してしまうということです。この状況に対してどういう結末が出されるのかが注目されているのです。

ドルの切り下げが現実になる?

先ほどtakkunさんからご紹介のあった記事で投資小僧さんとこの「前FRB理事が語る衝撃の話 」について書きたいと思います。内容は元FRBの理事が「FRBはアメリカ経済を救うために大規模な金価格の切り上げ(金の公定価格引き上げ)を試みるかもしれない」と言ってるんですが、これはもう時間切れが近いことを示しています。普通はこんなことはオフレコになっていることですから言えません。近い将来起こる可能性が高いのかもしれません。問題はその金価格切り上げが5000ドルとか10000ドルというレベルで以前このブログでも示した「負債を貨幣化する」の記事だったかな?の時と同じようなもの。まさにぶっ飛び。それともう1つびっくりなのは覚えてますかね。3日前の禅師さんのコメントですが、「COMEX現物引取りが続くと、丁度警告の日、1月21日に破綻します」「この日にオバマが米国債利払停止!! US$切り下げ!! 将来は金をリンクさせた新$を発行しますとか叫んだらどうなるでしょう?」なんて言われてるんですが、これビンゴだったりして・・・。これってホールインワン保険がいるんじゃないのかな?

アジアの通貨安

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これはアジア通貨の変動率を示したものだが、タイ、インドネシア、フィリピンも酷いが、韓国のウォンは跳びぬけて下落幅が大きいのが分かる。それだけ米国からの資金流入が大きかったという事だろう。日本人観光客がウォン安に殺到しているというニュースが出ているが、素直に喜べない。エクアドルのデフォルトと言い米国一国のせいでここまで振り回されようとは誰も思わなかっただろう。

先週の金価格

12月   London   NY(COMEX)
8日    767.25    771.40
9日    767.75    775.60
10日   802.25    809.60
11日   827.75    819.70
12日   826.50    822.00

平均   (779.06)

*先週の動きはよう分かりません。800ドルを再び回復していますが、850ドルが強い抵抗線になっています。今週ここを抜けられるかどうか?一旦800ドルを割り込んだのは米国に危機が迫っていたからだと思いますが、やっぱりビッグスリーの問題が絡んでいたからかな?

ドルは本当に大丈夫か?

前々からドル崩壊説というのはあったんだが、今まで当たったためしがない。国連も毎年報告書を出しているらしいが、内容としてはドルに対しては悲観的である。今年も来年の予測のための報告書が出されている。それによると米国の膨大な貿易赤字やサブプライム問題の影響によりドルのハードランディングが起こりうるという。最もこういった論調は今に始まった事ではないが、いよいよ妖しくなってきたとも言える。ドルの破綻が起こるとしたら米国債が売れなくなるところから起こるという見方が多い。先日の短期債のマイナス金利には肝を冷やしたのではないだろうか。実際、米国債は限界近くまで買われ続けている。それでも米国はさらに輪転機を回してドルを供給していかなければならない。しかし、今後は売れ残る危険性が高い。それが長期金利の上昇という形で現れてしまう。これは財政破綻の兆候でもあるため誤魔化す必要がある。そのため連銀があまった米国債を買い取る政策を検討している。このニュースが流れたとたんに長期金利が下げだしたらしい。しかし、これは最後の手段でタコが自分の足を食べているようなものである。このブログでもコメントに出ていたと思う。そうした行為はドルの価値の下落を悟られないためにCOMEXを使って金先物で金価格を下落させる行為と同じである。つまりすべてはつながっているのだが、そろそろ魔法の効き目がなくなってくる頃である。そう、シンデレラの魔法は12時で切れてしまうのだ。ついに来年は我々の時間がやってくる。

また週末ドタバタ劇か?

またまたビッグスリー救済問題でドタバタしそうである。ポールソン財務長官は再建実現性の確保されている企業へ資金注入すべきと言っているが、私もその通りだと思う。しかし、このポールソンの意見は金融大手には当てはまらない。今、世界が危機に立たされているのは潰すべき銀行を潰さなかったからで一旦破綻させ再生していれば資金の流動性は確保できていたはずである。結局最後は湯水の如く資金が必要となってしまった。もう、ビッグスリーを助けられるだけの力はないと見る。しかし、つなぎ資金ぐらいなら出せるのかもしれないが、一時しのぎに過ぎないだろう。CDS市場はGMのデフォルトをほぼ確実視している。さあ、どんでん返しはあるのか?こんなことで楽しんでいる場合ではないのだが・・・。

ダウはどこまで下げる?

私のダウ下値予想は5000~7000ドルである。しかし、ジム・ロジャースは4000ドルと言っているらしい。ビッグスリーが破綻するとその関連企業も連鎖破綻するから地獄絵図になるだろう。そのヘンまで下げてもおかしくないのかもしれない。ますます株式市場から資金が逃げ出していく。これから何処へいくのか?もう米国債市場はバブルが崩壊しだしている。先日の米国債マイナス金利事件は象徴的な出来事であった。もう米国債は買えないのである。いよいよ商品の出番が来たと言える。来年になると予想以上に供給に問題が起きている事が判明しだす。また、これまでのFRBの政策はドルのばらまきと金利引き下げであったが、本来インフレとは金融政策により導かれるものである。FRBはこれまでインフレ政策を採ってきている。ここまでデフレ基調となっているのはばらまかれたドル自身に流動性がまったくないからである。これが正常に動き出すと一転してインフレとなる。その結果ドル安が始まるわけであるが、米国は債務国である。この状況で海外からのファイナンスが得られる可能性はあるのか?買えない米国債を買わされる日本は悲劇である。せめて円建て米国債にするべきだ。

アメリカに太陽が落ちてくる日

どうやら昨夜はビッグスリー救済法案が米上院で否決されてしまったようだ。世界の株式市場はすぐに下落で反応した。確かにここで繋ぎ資金を投入しても景気減速が長引けば単なる延命措置に過ぎなくなる可能性は高い。ビッグスリーは三途の川を渡ってしまったのだろうか?もし破産法適用となると株式は当然紙屑となるが、社債なども同様紙屑となる。こいつを持っているのは誰だろう、ということになる。また、ビッグスリーのCDSの破壊力はどれぐらいのものなのか?