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インフレ高まる中国国内

中国人民銀行の4月の金融統計によると、1~4月の人民元建て貸出金増加額は1兆8,000億元(約27兆円)で、2兆元に迫る勢いとなっていることがわかった。4月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は3%で、3月に引き続き当局の警戒ラインを超えた。インフレ傾向が強くなってきている。そのため利上げ観測が浮上している。

金融機関の貸付残高は4月末時点で25兆7,000億元と、昨年同期比16%の増加。うち人民銀建ては24兆4,000億元で16.5%増えている。

預金残高は15%増の37兆1,000億元。うち人民元建ては35兆9,000億元で15.7%の増加となった。ただ個人による預金残高は、4月単月で1,674億元の減少と、昨年同月の606億元増から急激な落ち込みをみせており、預金残高の流出が急速に進んでいることが明らかになっている。

流出した資金は、主に証券市場に流れ込んでいるものとみられている。中国証券登記決算公司によると、4月だけで新たに669万8,000人がA株・B株市場での投資を開始。同月だけでA株市場に流入した資金は2,500億元規模に上るとされており、証券市場の活況を背景に一般市民が預金を切り崩す形で、株式投資を積極的に行っている現状が明らかになったといえる。この流れを止めるのはかなり難しい。

*当局の舵取りはかなり難しい。利上げと預金準備率の引き上げぐらいしか手段はないが、QDⅡの本格稼動などの荒業も選択肢となる。こいつは溢れかえった水を横へ流す安全弁の役割となる。
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